りゅう吉です。
今回のテーマ「飲食業界で簿記の知識を生かそう!」です。
以前、勤めていた会社が飲食業界でした。
その時の得た知識、役立つ情報をお知らせします。
これから飲食業界で働く方などに参考になれば幸いです。
他の業種との決定的な違いは?
会計処理が現金主義
飲食業界では「現金主義」である点をまず押さえましょう。
一部の大手飲食店ではクレジットカード決済もありますが
ほとんどのお店が現金決済です。
現金主義とは、読んで字の通りで売上も仕入も
「現金が入ってきて、現金が出ていく」という考え方です。
ちなみにもうひとつが発生主義です。発生主義は、売上も仕入も
「売上が発生し確定、仕入が発生し確定」した時点での考え方です。
一般的な企業の多くは発生主義です。
こと飲食業界では「現金の出入り」によって大部分の収益・損益が
構成されていますので後ほど解説します現金管理が重要になってきます。
飲食業界で使用する勘定科目
いろいろありますが重要なのは・・
それでは、具体的にどういった勘定科目が使用されるのか?
代表的なものは以下の通りです。
売上…顧客に商品を販売した代金
仕入…材料などの商品を仕入れた代金
水道光熱費…電気代、水道代、ガス代など
広告宣伝費…チラシや屋外など有料広告や、対外活動の一部にかかる費用
通信費…電話や郵便など、業務上の連絡にかかる費用
消耗品費…業務に用いる消耗品にかかった費用
支払家賃…店舗、店舗スタッフ休憩用アパートなどを賃貸した場合の費用
修繕費…お店の手直しや厨房機器など修理などにかかった費用
衛生費…クリーニング代、洗剤や殺虫剤購入費、ごみ処理など衛生上にかかる費用
給料手当…従業員やアルバイト従業員に支払われる給与
など
これらの中でも、飲食店では特に水道光熱費が多くかかります。
さまざまな管理項目がある中、水道光熱費の管理は特に重要になります。
りゅう吉が勤めていたラーメン・つけめん店では、特に水道代とガス代が
店舗単位で毎月何十万円と発生します。
この水道光熱費をどのように管理するか大変苦労しました。
ちなみにどのような方法でしたかというと、水道代をひとつの例として紹介します。
毎日お店がオープンする前に店舗スタッフが水道メータを確認し前日からどの程度の
量になったかを計測していました。
計測結果をメールで報告しこちらでチェック検証していました。
また、節水コマなどを購入し節水に努めていました。
飲食店を運営するうえで大事な指標
原価、人件費です
飲食店の経営において、しっかり管理したい重要な指標について解説します。
これらは、確実に利益を得られるためには必須な項目ですので理解をしましょう。
原価率
原価率とは、売上に対する原価の割合(原価÷売上高)を指しています。
原価率が低ければ、その分利益率は上がり、収益を向上させやすいと考えましょう。
飲食業における原価率は、だいたい30%以内が望ましいといわれています。
FL率
FL率のFLとは、F=材料原価(Food)と、L=人件費(Labor)を指し、
FL率は原価と人件費の合計を売上で割って算出する数字です。
一般的にはこの数字が50%程度であれば、経営状況として健全であると考えられています。
FとLの内訳ですが、Fが30%、Lが20%以内を目安と考えると良いでしょう。
FD率
この場合のFは料理(Food)であり、Dは飲料(Drink)となります。
FD率とは、売上高における料理と飲料のそれぞれの比率です。
飲食業では、基本的に料理より飲料の方が原価率は低く、利益を
出しやすいとされています。
業態によっても適正なFL率の目安は変わりますが、一般的にレストランの
FD率は8:2、カフェやバーの場合は1.5:8.5、居酒屋なら6:4が適した
FD率の目安です。
以下の表はりゅう吉が勤めていましたラーメン・つけめん店の店舗別の
損益計算書になります。
FD率はありませんが原価率とFL率は算出しています。店舗によって割合は
違いますが人件費が高めになっていました。
日頃から大切な業務
現金管理
飲食業界は現金主義について解説しましたが、その現金をしっかり管理する事が
毎日の業務にはかかせません。
現金管理には、「売上現金管理」と「小口現金管理」の2種類があります。
売上現金管理は、閉店後にレジの中にある現金(開店前に用意してある
つり銭+売上)から売上の金額を引き、開店前に用意してあるつり銭と同額
になるかどうかで過不足がないかを確認します。
小口現金管理というのは、足りない食材や業務に必要な備品などを購入する
為の小さい額の現金です。
現金管理で気をつけて頂きたいのが、この小口現金管理です。
金額が小額の備品を購入する為にレジの中の現金を引き出す、
小口現金管理をずさんにしているお店も少なくはないそうです。
レジから現金を流用すると過不足の計算も正確ではなくなってしまいます。
そのため、最終的に売り上げの計算が合わなくなってしまうケースがあります。
りゅう吉が勤めていたお店でも小口現金管理も大変苦労しました。
その対策として現金出帳を毎日記録し、FAXやメールで知らせてもらい月
に1回実地調査をしておりました。
その結果、小口現金残高が不透明な事はだいぶ少なくなりました。
まとめ
飲食業界は基本「現金主義」ですので現金管理が大変重要になってきます。
毎日の現金チェックは欠かせないものになります。
水道光熱費はどの飲食店でも欠かすことの出来ないコストですので
どのように抑えるかがポイントになります。
次回は、飲食店の経営について記事を投稿出来ればと思っています。
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