りゅう吉です。


今回のテーマ「建設・土木業界で簿記の知識生かそう!」です。


現在、土木関係の会社で働いています。


今の会社で得た知識、役立つ情報をお知らせします。


これから建設・土木業界で働く方などに参考になれば幸いです。

なぜ、このテーマなのか?

2年前に転職し現在の会社へ勤めております。


実際仕事をしてみると、会計処理が今までの会社と微妙に違うと感じました。

完成工事高


工事進行基準


工事完成基準


出来高請求


JV


これらの用語は全くなじみがなく戸惑いを感じましたが今ではだいぶ慣れました。


とは言っても他の業界と大きな差はないのでそこまで気にする必要はないかと感じます。


これから建設・土木業界で働こうとする方に参考になればと思い記事にしています。

他の業種との違いは?

勘定科目が・・

建設業会計では、一般的な簿記で用いられる勘定科目名とは一部異なる名称があります。


内容はそれぞれ以下のようになりますが、一般簿記を理解できていれば、覚え直すだけですので心配はいりません。


科目名称が変わるということだけ理解していただければいいかと思います。



◆ 損益計算書項目


「売上高→完成工事高(工事収益)」


「売上原価→(完成)工事原価」



◆ 貸借対照表項目


「売掛金→(完成)工事未収入金」


「仕掛品→未成工事支出金」


「買掛金→工事未払金」


「前受金→未成工事受入金(工事前受金)」



りゅう吉の会社では、建設業会計での科目は日常では使用せず一般簿記の科目を使っています。

じゃぁ使用する時はどんな時か?


建設業許可において書類作成の際は使う程度です。

建設業許可については今度記事にしようかと思っています)


具体的には、決算報告書は建設業会計での科目の報告になります。

会計処理方法

工事進行基準と工事完成基準

建設・土木業界ならではの会計処理方法です。

まず、工事進行基準とは、工事の完成引渡し前でも工事の完成度合い(進捗度)に応じて収益を計上するという方法になります。


工事期間中に発生するであろう総原価(工事原価総額)のうち、当期にいくらの原価が発生したかによって、工事の進捗度を求めます。


そして、工事の進捗度に売価である工事収益総額を掛けて当期の完成工事高(収益)を計上します。


見積的な要素なので信頼性が重要になります。


工事完成基準とは、読んで字のごとく工事が完成し、引き渡した時に完成工事高(収益)を計上する方法です。


ちなみに、りゅう吉の会社では、工事進行基準と工事完成基準どっちなのか?


どちらかと言うと、工事完成基準です。


厳密には「出来高請求」になります。

(出来高請求については後ほど)

本来ならば工事進行基準による収益を計上するのが妥当だと思いますので、今後の為にも工事進行基準での完成工事高(収益)を計算はしています。

建設・土木業界ならではの業界用語

経理に関するところだけですが

建設・土木業界でも業界用語は多々ありますが経理に関するところだけピックアップします。


◆出来高請求


出来高請求とは「着手している建造物の完成した度合いに応じてそれに見合った対価を分割して請求する制度」のことを指します。


これは建設業法に詳しく定められており(第24条の3「下請代金の支払い」)、特に下請会社への支払いについては最大限に配慮するように明言されています。


りゅう吉の会社では、現場担当者の判断に任せて収益を計上しています。



◆JV


JV(joint venture、ジョイントベンチャー)とは、建設業における共同企業体になります。


資金力・技術力・労働力などから見て、一企業では請け負うことができない大規模な工事・事業を複数の企業が協力して請け負う事業組織体を指す。JVの方式には、「特定JV」「経常JV」「地域維持型JV」があるようです。


りゅう吉の会社では、会計的な処理は特段ありませんでした。


元請企業においては「JV出資金」の科目を使用するようです。

資格はあるか?

建設・土木業界向けの建設業経理士検定


建設業経理士とは、財団法人建設業振興基金が実施する「建設業経理検定」で1級か2級に合格したときに取得できる称号です。


3級や4級に合格した場合は、建設業経理事務士の称号がもらえます。


1級は、建設業にかかわる会計学・簿記・原価計算を習得していることです。


会社法をはじめ、企業会計に関係する法規を理解していることや、経営分析ができることも求められます。


日商簿記なら1級レベルぐらいでしょうか。


2級は、実践的な建設業にかかわる簿記と、原価計算の知識を持っていることです。


建設業の決算の実務処理もできなくてはなりません。


日商簿記なら2級レベルぐらいでしょうか。


3級は、基礎的な建設業にかかわる簿記の知識を有していることです。


簡易な実務処理の能力も求められます。


4級は、初歩的な建設業にかかわる簿記の知識を持ち、初歩的な実務処理ができることです。


建設業経理検定の中では、もっとも基本的なものです。


3級、4級は日商簿記なら3級レベルぐらいでしょうか。


どの級からでも受験できるため、自分の知識に合わせて級を選んではいかかでしょうか。


りゅう吉も1級くらいは取りたい資格のひとつです。


この建設業経理士については詳しく記事に出したいと思っております。




スッキリとける問題集 建設業経理士1級 原価計算 第2版 (スッキリわかるシリーズ)


まとめ

建設・土木業界と言えども会計的な処理については他の業種と大幅にかわるところはありません。

ただし、注意すべき点はあります。


勘定科目の一部名称が違う会計基準が工事進行基準と工事完成基準があるところでしょうか。


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